怖い話（消しても消えない赤い壁）。。。：幸福になれる女の条件：So-net blog

	ブログをはじめるログイン

彷徨い人カレンダー（七月）。。。｜小説家、田舎に現る（A子の友人）。。。ブログトップ

怖い話（消しても消えない赤い壁）。。。 [編集]

この前の掲載された記事は権利が私の手を離れてしまった為、
皆さんに紹介する事は出来ませんので、別の怖い話を紹介させて頂きます。
怖いオハナシが嫌いではない方のみ、お読み下さい。

消しても消えない赤い壁

　１９歳のある夏の夜、私は友人達と噂の心霊スポットに出掛けた。
その場所は、茨城県の七会村という所に、［赤い壁］という地元ではかなり噂の名所。
ある恋人同士が車で迷い、街頭も無い壁に一瞬の判断ミスで壁に突っ込み、その恋人同士が
思いをこの世に残して亡くなった為、今もその場所を彷徨っているのだという場所。
何度塗りなおしても下からその時の事故で付いてしまった血痕が浮き出るという壁を探しに、
男の子４人、女の子４人の車二台で出掛けた。

確か、行けば間違う事のない、一本道と聞いていたのに、何故か私達は道に迷ってしまった。
あたりには街頭もなく、車の通りも無い。それでもなんとか見渡しの良い通りに出た時、
私達は車から降りて８人で民家を探した。
しかし現在人が住んでいる気配の家は無く、仕方なく、今来た道を一旦引き返す事になった。
するとその時、一台の車が通りかかった。
慌てて手を振るも、その車は止まろうという気配はない。
仕方なく急いで車に乗り込むと、私達はその車の後を追う事にした。
ヘッドライトで合図（パッシング）をしても、クラクションを鳴らしても、
その車はゆっくりとまるで私達を親切に先導するかの様に走っている。
あたりには相変わらず全く街頭も無く、見渡す限りの畑。
「ここだ！　きっとここよ！　この先よ！」そう、一人が叫んだかと思った次の瞬間、
前を走る車が、す～っとゆっくりと止まった。
私達はいっせいに車を降りて、道を聞く為に自分達の１メートル前程に止まった車に
駆け寄って行った。
すると……不思議な事に、さっきまで私達の前をずっと走っていたはずの車は、
人が乗っているどころか、まるでずっと前からこの場所に長く放置されていたかの様に見えた。
「あれ？人が乗ってないよ？」
「……ぎゃ～っ！　タ、タイヤ、タイヤがついてないっ！」
「じゃあ……俺達が追ってきたのは何だったんだ！？　８人みんなで見てるんだぞ！」
「だって、これ、どう見たって放置自動車じゃない！？エンジンの中までゴミや泥が入ってる！」
「ガラスも割れてる……や、やばいぞ！　……みんな、逃げろ！」
そう言って皆でいっせいに車まで走って戻ろうとした時、私達が乗って来た車のヘッドライトが
２台とも、ふっ……と、同時に消えたのだ。
それでも恐怖に震えながら車に乗り込むと、次はエンジンまでもストン……と、止まって……。
私達はパニックになりながらも、それでも必死に「ごめんなさい、ごめんなさい」と
心の中で何度も何度も繰り返し言いながら、友達同士で手を取って、震える体を寄せ合った。

中には、「早く帰りた～い……」と、泣き出すものも居て、
何度セルをまわしてもかかりそうにないエンジン。それでも何度も何度もセルを回していた。
そして、どれだけの時間が経った頃か、
私達の車のエンジンがかかると、続ける様に後ろの友人達の車もエンジンがかかり、
ヘッドライトも嘘の様に二台同時に、ほわっ、と点いた。
二台は示し合わせた様に、夜中の街灯も無い田舎道で夢中でアクセルを踏み込んだ。
そして安心したのも束の間、ようやく帰れるとほっとして前を見た瞬間、
噂の赤い壁が、すぐ目の前に飛び込んできた。
「ぎゃ～っ！止まって～っ！」
「ガッシャーン！」と、鈍い音と皆のしゃくりあげる様な悲鳴……。
咄嗟の判断で、ブレーキを踏む前車と、前車のバンパーでかろうじて止まった後車。
あと少し判断が遅かったら、私達もあの恋人同士の様に……。

そんな事があってから、それからしばらく集まらなかった８人が
「あの時、『早く帰りた～い……』なんて言うからさ、なおさら焦ったんだぞ！」
なんて事を先頭車両の男の子が言った時、「え？そんな事言った？」
「うん、私も言ってないし、聞いてないよ」

「第一、あの時はみんな恐怖で声なんか出せなかったじゃない！」
と、私と前車の運転席に座った子にしか聞こえなかった声……。

あの声は、いったい何だったのだというのでしょうか。
そして今も誰かを迷わせ同じ世界に誘っているのでしょうか。
現在あの場所は、心霊スポットではなく事故の多い場所として
誰かが置いてゆく花が耐えない場所……として有名な赤い壁となっています。
どうして心霊スポットではなく、事故の多い場所で有名か……。
それは、誘われ狙われた者は、二度と生きては戻れない。
だから、誰も身に起きた事を、人に伝える事の出来ない、死の壁なのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
消しても消えない赤い壁　ＥＮＤ

このお話し、ノンフィクションでございますゆえ、事故現場にては十分にご注意を……

な～んてな～＾＾　楽しんで頂けましたでしょうか？＾＾　（まだまだあるぞ、怖い話し♪）